モンゴルだるま@モンゴルです。

小学校のとき、放課後は軟式野球部でありました。
小学校4年生のときにチームが結成されたときはいっぱいいた女子が、ユニフォームが作れるようになって公式戦にも参加が出来るようになったころには、私一人になってました。

紅一点、ってことでの恩恵は全然なかったけれど、やっぱり楽しかったな。
もちろんレギュラーなんかは取れなかったんだけど、「出ると負け」の弱小チームだったけど、真っ暗になるまでの練習や、早朝からの試合とか、硬式野球(=ホンモノの少年野球といえるリトルリーグ)にも入ってる男の子から彼らの公式試合の応援をしてほしいって招待されてドキドキしたことや、横浜大洋ホエールズの招待でチーム皆で応援にいったけど、阪神の名物人気選手バースがみたくて、こっそり三塁側に応援しにいっちゃったことなどもあったりで、やっぱり野球っていいなっていう気持ちは相変わらず熱い私です。

サッカーでも野球でもバレーボールやバスケットボール、どんなスポーツでも、選手ひとりひとりの個性や適正、そしてチームワークが大事なわけですが、それら全てが万全だったとしても、いつも勝利できるわけではありません。

そんなわけで、1チャンスに全てをかける過酷なトーナメントである甲子園を目指す高校野球ってすごく特別です。特に夏はね、ホントに実力と運と練習の成果の全てを賭けての真剣勝負であります。

今日、ついに日大三高が優勝決定とのこと。
被災地から決勝まで残ったチームにもがんばって欲しかったけれど、毎年、真剣勝負で誰も勝利を同情どかで譲れない、自分たちの力でしかもぎとれない大会なわけです。

NHKでハイライトシーンや各チームの主将や主力選手のインタビューコメントなどが流れると、もうそれだけで、わけもなく涙でグジュグジュになってしまうのです。

「ハンカチ王子」ごときでうっとりしたり、歯軋りしたり、球場まで応援に行っちゃったりする、「元祖熱い野球少女」の実母ほどではない・・・と思っていた私ですが、なんででしょうか?今年は対して大会の試合中継を見るチャンスも無かったのに、ハイライトシーンだけでむっちゃ泣けてしまいました。

大学のワンゲル部の大先輩が、「甲子園への道」と称して、毎年、我々歴代のワンゲル部員たちの出身校の地区予選大会での試合結果をメーリングリストでお知らせしてくださるのですが、そういう予選の段階から、なんとなくヒートアップの火種が生まれているのです。

今日の決勝で負けちゃった人たちは残念だけれども、でも、今日以外の今年の大きな試合にずっと勝ち続けてきたわけです。
1回戦で負けちゃった人たちも、過酷で壮絶な地区予選という死闘を勝ち抜いてきたすごい人たちなのです。

皆、ほんとに、ホントにがんばりました。甲子園を目指してがんばる野球選手たちで、一瞬でも気や手を抜いた子達はいないはずです。
野球が好きで好きで、練習の苦しさすらも喜びとして達成感を味わいがんばってきたのです。

3月に突然母校が津波で流されちゃった、実家がなくなっちゃった、両親が失業しちゃった、大切な肉親を失ってしまった、友達が亡くなってしまった、あるいは離れ離れになってしまった、など日本の多くの高校球児たちが、そもそも「野球を続けられるのか?」という葛藤を突きつけられながら、必死でもがいて、悩んで、それでもがんばろう!って周りの人たちに応援されながら、一生懸命勝利を目指してひたむきに野球に賭けて来たのだ・・・

なぁんてことを考えると、もうダメなのです。
涙ブワーッ!!!!なのです。

ほんとに皆、おめでとう。
甲子園の夏は終わっちゃったけど、もうすぐに国体とか次のチャレンジが始まっています。
負けたチームはきっと翌日から練習をいつものようにはじめていることでしょう。

私も背骨や頚椎を傷めて、「一生歩けなくなるかもしれないけれど、最後まで剣道を続けますか?それとも、今、剣道をあきらめて、一生自分の足で歩くことを選びますか?」とお医者様に決断を迫られて、「剣道をあきらめる」という決断をした17才の秋まで、試合で勝っても負けても、やっぱり翌日はいつもと同じように稽古に励んでいました。

人間の一生って長いです。短いようで長いです。
どの道を選んだとしても、自分でしか進めません。

被災地でのっぴきならない事情で涙をのんで高校野球をあきらめる、という道を選択した青少年もいることでしょう。
でも、誰もが野球少年であったことを誇りに思ってよいのです。がっかりすることや引け目に思うことや、誰かをねたむ必要はないのです。

皆、いつか、またグラウンドに出て、キャッチボールしたり、ベースランニングしたりできるはず。
やりたいって思えたときに始められるはず。もし、体が動かなくなってしまったとしても、自分が好きなスポーツとなんらかの形で関わることもできるはず。

だから、今日で夏の高校野球の甲子園大会は終わっちゃったけど、みんな、またがんばってください。

今回の大会は、サッカー女子のナデシコジャパンがW杯で奇跡の優勝を果たしたのと同じくらい感動的で、日本全国に元気と活力を与えてくれた素晴らしい大会でした。

感動をありがとう!!!ってモンゴルから拍手とエールを送ります。