モンゴルだるま@ウランバートルです。

いつの間にやら10頭あまりの馬のオーナーさんになってしまいました。

去年、羊や山羊の放牧用にと購入したアルハンガイ出身の馬2頭。

ベースキャンプから約400kmあまり離れたところから7月上旬に買い付け、そのまま乗って帰ってきた子達が

種馬 3歳馬 1頭
乗用去勢馬  3頭(うち1頭は、性格が悪いということで、地元でチェンジされたそうです)
雌馬 子馬なし 1頭
雌馬 子馬あり 白馬1頭・普通の子1頭
雌馬 こだくさん 1頭(つまりは1歳馬と2歳馬の2頭がくっついてきた)

地元で購入した子 1頭

とまぁ、豪華ラインナップですwww

で、この種馬は、一緒にいった馬方君が舌なめずりして、「どうしてもこの子!」というのでゲットした鹿毛なのですが・・・

ベースキャンプまでの旅400kmも、ホームシックで草を食べなかったり、家に帰ろうと脱走を試みたりと「あぁ、男の子って繊細ね」と心配させられるものがありました。

まだ睾丸も一人前にはなりきっていないチェリーボーイでもあり、ベースキャンプについてからも、去勢馬のおねえ達と一緒じゃないと草を食べず、ため息ばかりついておりました。

心配ながらも、お仕事があり、1週間ほど草原を留守にしていたら。。。

なんと、競走馬としての調教が始まっていました。
あらー・・・

やっと新しい環境に慣れたと思ったところで、この仕打ち。

恐るべしモンゴル人男子たち。

なぜならば、今回購入した雌馬たちはすでに種付けが済んでいる、ということで、他の種馬が「のっかる」ことは避けたい。(つまり種付けされた不安定期に、別の種馬に「のっかられる」とおなかの中の胎児が流産しちゃう危険が高いのだそうです)

そのため、自分たちの妊婦馬と一緒に放牧するわけにはいかない。

さらに、この種馬、体格的にはモンゴルでの草競馬向き。

そして、近所(といっても50km以上離れてるけど)の景勝地・テレルジが行政区として独立して10周年の記念ナーダムがある。しかも賞品豪華。

といった状況から「じゃ、競馬用に調教しちゃおうぜ!」となった次第。


豪華賞品とは何か?


上位入賞は、オートバイ、パラボラアンテナ(なんとモンゴル国内54局をキャッチ!1年間無料視聴権つき)つきテレビセット、現金、太陽光電パネルセットなどなんだそうです。

でもって、いよいよ明日、その草競馬が開催されます。

今日から始まっているようですが、うちの子は3歳馬レースなので、明日の午後3時くらいが出走。

レース会場までは、なんとトラック送迎です。豪華!

というわけで本日は、最終調整中の種馬チェリーボーイを激励しつつ、暑かったら、ゴムボート遊びと家族サービス(私は10日ぶりにあう牧羊犬・ソートンを、ガナー君は愛娘を)に興じます。
継母的点数稼ぎのために、子供用の鞍(全部セットで65,000tg 約5,000円)を購入したので(といっても、ほんとは、子供連れのお客様のためだったりもする。。。)、初マイ鞍乗馬も楽しもうという算段です。

5日にひさびさの大型団体さん(といっても10人程度)の日帰り乗馬を控えているので、ここ2週間あまり人を乗せていないお馬さんたちの野性をちょいとソフィスケイテドな状態に戻すためにも、さくっと乗馬して、初心者外人用に調教する必要があるので、遊びといいつつも、お仕事要素満載です。

自分の馬、といっても、知らないうちにメンバーチェンジしちゃってて(といってもチェンジされた馬はいずれも、私も、「こいつはいらないんだけどなぁ・・・」とあわせ技で押し付けられちゃった子なので、ツーリストさんが安心して乗れるおとなしい馬に変わってる分には文句はありません。

自分が愛情をかけてる子がチェンジされてたら、倍額払ってでも取り戻しちゃうけどね。

競走馬になる馬って、もちろん血統とか出身地とかもあるけれど、遊牧民さんにとっては、「こいつはモノになるぜ」って勘が働いたら、とりあえず調教してみる、ということもあるようです。
モンゴルの伝統的な「目利き」の方法が口伝されていて、それには細かい外見上の特徴や性格を見極めるノウハウなどもあるんですね。

3歳馬なので、それほど長い距離を走るわけではないとは思いますが、とにかく無事に一生懸命走りきってほしいです。

もはや、わが子の幼稚園運動会のかけっこデビューを見守る母の気持ちであります。(といっても、実際には子供を生んだこともなければ、幼稚園のかけっこデビューに立ち会ったこともないけどさ)